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 マウスによる実験で、ニセの幸せな記憶を植え付けることに成功した。これは睡眠中の記憶操作の初の実証例である。

 この研究では、特定の場所にまつわる肯定的な感情を動物の記憶内に人工的に書き込み、マウスが目覚めると報酬を求めてその場所を探しまわるよう仕向けることに成功している。

 感情記憶が容易に操作可能であるという事実は、どこかジム・キャリー主演の映画『エターナル・サンシャイン』を彷彿とさせる。この映画の主人公は、架空の記憶除去手術によって破局に終わった恋人の記憶を消去してしまうというものだ。
 フランス国立科学研究センターで本研究を率いた神経科学者カリム・ベンシェナン氏は、この発見は、患者がうつやトラウマ的な記憶を乗り越えるための新しい治療法への道筋となるかもしれないという。PTSDの治療に光明が差すかもしれない。
 今回の実験のために、マウスの脳に2つの電極が埋め込まれた。1つは脳の記憶中枢であり、位置のマッピングにも関係する海馬、もう1つは脳の報酬中枢である。

 マウスと人間の両者において、周囲の環境は脳内で物理的にマッピングされている。これはいわゆる”場所細胞”の働きによるもので、我々が空間を移動する際に、グリッド上の座標かの如く点灯する。研究チームは特定の場所細胞の神経細胞を採取し、マウスが広範な探索エリアを移動する際に現実と対応している領域を観察した。

[画像を見る]
 睡眠中のマウスは一般に場所細胞のこうした流れを再現する。つまり起きている間にいた場所の記憶が回想されるのだ。そこで研究チームは電極によって、睡眠中に標的の場所細胞が興奮すると、2本目の電極が報酬中枢を刺激するようにした。こうして、最初は場所の記憶が中立であっても、マウスが眠っている間に、その場所と何らかのいいことを関連させるよう学習させた。

 「目が覚めると、まるでご褒美が待っているかのように真っ先にその場所へと向かいました」とベンシェナン氏。

 この研究が証明しているのは、我々が主観的に正しいと知っていることだ。つまり、記憶の事実内容と感情内容は、脳の別の中枢に保管されており、独立して変更可能ということである。

[画像を見る]
 ベンシェナン氏は、今回の発見は人間の記憶を操作するための非侵襲的な手段の基礎となる可能性があると考えている。電極ではなく、fMRIによるスキャンならば、睡眠中の人間が特定の記憶を再現している場所を特定するために利用できるだろう、と提案する。…fullrss.net]]>
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