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 ミイラといえばファラオ、ファラオといえばエジプト、と言っても過言ではないほど、日本人にとっては、ミイラ=エジプトのイメージが強い。しかし実際にはミイラという死体保存の技法はアンデスや古代中国、またここ日本にも存在しており、近年においてもその研究はより根深い部分にまで及んでいる。

 そんな中、ペルーで発見された約2000年前の女性のミイラを分析したところ、その女性が最後に食べた食物が判明したとのニュースが飛び込んできた。

■2000年前の毛髪とは思えない保存状態が可能にした南米ペルーのミイラ研究

 アリゾナ州立大学の人類学の教授や科学者らの研究によって明らかとなったのが、ミイラの髪の分析だった。

 今回進められていた研究では、ペルー南部のワリヤカンにあるパラカス・ネクロポリス(ネクロポリス=巨大な墓地。死者の都の意)で1925年に考古学者フリオ・C・テジョ氏によって発掘されていたミイラ14体の毛髪に含まれる炭素から、当時彼らが口にしていた食事が割り出されたのだ。

 ペルーの乾燥した気候と羊毛や綿によって、ていねいに保存されていたことや、ペルー独特の髪を長く伸ばす文化が影響し、保存状態の良い毛髪サンプルが取得できたのである。

■高地と沿岸地を行き来する魚と豆の質素な食生活? 炭素と窒素がカギに

 言わずもがな、私たちの体は食べ物によってつくられる。よく、爪の状態で健康状態を測ることができるのと同じように、髪もまた、健康状態や栄養素の割合などを表すバロメータとなるのである。

 今回注目されたのは、毛髪1cmあたりに含まれるケラチンの炭素と窒素の割合だ。この1cmという長さはつまり過去4週間分の長さであるため、死亡する以前のおよそ1カ月間に食べていたものが判明するのだ。

 炭素同位体の種類に焦点を当ててみると、トウモロコシではC4、豆や野菜、その他ほとんどの植物類にはC3という炭素の一種が生成されるようで、穀物や野菜類を食べていたことが伺える。また、一般的に海洋植物や魚介類に含まれる窒素の値は陸上のものよりも大きくなる傾向にあるのだそうで、彼らは漁場となる場所を確保し、海産物も積極的に食べていた上に、穀物や野菜など陸上の食べ物もバランスよく食べていたということが推測できる。

 このことは、今回の毛髪分析だけでなく、彼らが生きていた紀元前800年前から100年前までの洞窟の壁画、装飾品の図柄などからも「内陸の高地と沿岸地域を行き来していた」という生活スタイルが推測されるのだという。…

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