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 東京都渋谷区において、区内在住の同性のカップルを結婚に相当すると認め、パートナーとして証明書を発行する条例案が定例区議会に提出されたことが話題となっている。可決されれば、4月1日から施行される。

 この条例には、同性カップルが、入居や病院での面会に際して家族ではないとして断られるケースが問題視されていることを受け、公的な機関が証明を行う意図がある。しかし、法的な効力はない。さらに、憲法第24条に定められている「婚姻は両性の合意に基いて成立する」の条文に矛盾するという指摘もある。

 「すべての法律は、憲法の範囲内で作られなけばいけません。条例は法律の下位に位置するものなので、当然すべての条例は法律と憲法の範囲内でなければいけません。ただし、誤解してはいけないのは、憲法第24条は同性婚を禁じているわけではない、ということです。現憲法が作られた時代は、結婚制度は家と家との結びつきでした。しかし、家長から反対されても両者が成人であるならば、結婚は可能であるという基本的人権を保障したものなのです」(法律系予備校講師)

 憲法第24条に定められた「両性の本質的平等」は、当時20代の女性でGHQ憲法草案制定会議のメンバーだった、ベアテ・シロタ・ゴードンによって考案されたといわれる。世界でもまれにみにる進歩的な内容であった。

 「今回の条例案では、憲法24条に定められた"両性"を、男女と捉えるか、同性同士にまで拡大して捉えるかは解釈に委ねられることになります。しかし、条文から同性婚が可能と解釈するのは相当な無理がある、というのが通説です」(前出・予備校講師)

 同性婚に限らず、日本国憲法では条文に対して多くの解釈が重ねられてきた。代表的なものとしては、自衛隊は専守防衛に徹しており、軍隊ではないので武力行使の放棄を定めた第9条に違反しないというものがある。さらに、死刑については、絞首刑は執行時に意識が一瞬で失われるため、残虐刑を禁止した第36条には違反しない、とされている。どう見ても苦しい解釈であろう。

 「憲法改正というと第9条にばかり焦点が当たりますが、そのほかの条文でも現状との矛盾が生じていることは確かですね。少なくとも憲法が時代に合ったものかどうか、広く議論の扉が開かれるべきではないでしょうか」(同)

 意外や意外、今回の渋谷区の同性パートナー条例は、憲法改正議論の足がかりとなるのかもしれない。
(文=平田宏利)

画像はcredit:Pascal Terjan/from Flickr CC BY 2.0

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